子どもを絵本の世界へ 想像力を養おう

字が読めない子どもが絵本の世界へいくには、大人の手助けが必要です。お話を聞かせることは、子どもの想像力を活性化します。また、お話が子どもの心に流れ込むのと同時に、読んでくれているお母さんやお父さんの愛情も感じています。小さいうちから絵本の読み聞かせを習慣づけられると、親子の絆がいっそう深いものになるでしょう。そこで、絵本の選び方や、読み聞かせのポイントをご紹介します。

初めて出会う絵本
絵本に初めて出会う時期が早すぎることはありません。自治体によっては、3か月検診で絵本を配るところも多いようです。首が座れば、簡単な絵本を見せてやることができます。このころは文字の少ない、絵の大きなシンプルな絵本を選んでやります。「どうぶつ」「のりもの」など、子どもの普段の生活に登場するものを絵本の中に発見すると、赤ちゃんは大喜びします。赤ちゃんの機嫌が良いときに、お母さんやお父さんの膝の上で抱っこして絵本を読んでやると、生後5~6か月の赤ちゃんでも、じっと絵本を見ることがあります。また、なんでも舐めたい時期の赤ちゃんには、紙の絵本よりも、分厚くコーティングされた本の方がよいでしょう。絵本を読むことにとらわれず、ページをめくったり、舐めたりして遊ぶことも赤ちゃんにとっては大切です。

2歳ごろの絵本
2歳児になると、だんだん見立てや空想の世界で遊びを楽しむことができるようになります。このころには、絵本で体験する世界はいっそう想像をふくらませることができるようになるので、ストーリーのある絵本も楽しめるようになります。
また、子どもの興味もわかれてくるので、親がこれと決めつけないことが大切です。お気に入りの本は何度も何度も「読んで」というので、その度に読んでやりましょう。

大事なことは絵本を楽しむこと
絵本を読んであげようとしても、興味を示さない子もいます。そういう子に、無理やり絵本を読んでやろうとする必要はありません。ただ、一緒に読みたい絵本を図書館や書店で選んだり、たまに読む機会をつくってやったりするとよいでしょう。今は興味がなくても、ずっと興味がないとはかぎりません。
絵本を読むときには、大人も絵本の世界を純粋に楽しむことが大切です。読んでいる途中に「これは何?」「これは何色?」とか、質問をしながら読んではいけません。子どもは質問をされているうちに、せっかくの楽しい絵本の世界から、現実に引き戻されてしまいます。文字が読めるようになったらいいとか、絵本からストーリー以外のものを学ばせようとすることは、子どもにとってとてもつまらないことです。子どもが興味を持って「これは何?」と質問してきたときに答えてやれば充分です。親の方からあまり熱心にならないように気をつけましょう。

よい絵本と出会うために
絵本のよしあしを判断するのにきわめて有効な方法は、文を読まずに絵だけをじっくり見ることです。絵本の中の絵は、子どもにとってストーリーの中に入り込むために、大切な手助けとなります。絵だけをみて、物語のだいたいのところがつかめ、主人公の性格や、感情がわかり、その絵が自分にいろいろ語りかけてくれるようであれば、まずは絵本として合格です。それから、長く愛されている絵本、少なくとも25年以上読まれている絵本は長いあいだ子どもに選ばれつづけた証ですから、ひとつの目安にしておくとよいでしょう。
大人がよい絵本を選ぶ目を養っておくことは大切ですが、その中からどれがお気に入りになるかは子どもによって違います。子どもひとりひとりの性格が違うように、好きな絵本、興味のある絵本は子どもによって違います。何度も何度も読みたくなる絵本、子どもが生き生きとした表情で、集中して聞いている絵本、それがその子にとってのよい絵本なのです。

読み聞かせを毎日の習慣に
読み聞かせは小さいころからの習慣にして、毎日続けるとよいでしょう。就寝前などに、いつも楽しい読み聞かせが聞けるというのは、子どもにとってわくわくするほど楽しいものです。また、いつでも読みたいと思ったらすぐ手の届くところに、ある程度の絵本がそろっているとよいです。少しずつ買いそろえたり、図書館で借りてきたりして、絵本が身近なものになっていることが大切です。

最後に
読み聞かせは、字の読めない子どもに、活字を声にかえてやるだけではないのです。お母さん、お父さんが子どもに本を読んでやるとき、声を通してたくさんの愛情や温もりを伝えているのです。その愛情や温もりが、子どもの本を読む楽しみを、いっそう深く大きいものにしているのです。感情をこめて、臨場感あふれる読み方は必要ありません。絵本を読み聞かせるということは、親子の心と心のつながりを深めていくことです。そうすることで、子どもは安心して生きていけるようになるのです。

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